異国の地だからこそ大切にしたい
日本人らしいおもてなしの心。
ニュージーランド最大の都市オークランドにある1869年創業の「The Northern Club」でヘッドペイストリーシェフを務めています。会員制の高級クラブで、婚礼もできるレストランがあり、私はそこでパティシエとして勤務しています。ウエディングパーティーなどの宴会で提供する特別なデザートからアラカルト、アフタヌーンティーのメニューまで、レシピの作成やメニューデザインの提案、試作はもちろん、材料の在庫管理やコストチェック、若手シェフの指導なども行っています。


ニュージーランドは、国民の約3割が移民です。お客様も一緒に働くメンバーも、さまざまなバックグラウンドを持っています。料理はその国の文化を色濃く反映するもの。私は日本人シェフとして何ができるかを考えたとき、日本らしい四季の感覚や、きめ細やかなおもてなしの文化を大切にするよう心がけています。例えば、スイーツに日本の伝統食材である味噌を使ったり春には桜のフレーバーをプラスしたり、日本人にしかできないエッセンスを取り入れるのが強みにもなっていると感じます。またウエディングのスイーツプレートにはハートマークを描いたり、いつもより華やかに演出したり、臨機応変な対応も腕の見せどころです。そうして自分の手掛けたデザートが、人種や文化を超えてお客様はもちろん、同僚たちにも喜ばれたときに大きなやりがいを感じます。そのためにも、常に丁寧に楽しみながら情熱を持って仕事に取り組み、スキルの向上にも貪欲に挑みたいと思っています。


もう一つの言語が話せると
将来の選択肢や視野が格段に広がる。
北海学園大学を卒業してから15年。ニュージーランドで永住権を取得し、パティシエとしての人生を歩んでいますが、「なぜ?」と聞かれることも多々あります。そもそも私が北海学園大学に進んだのは、英語と経営学の両方が学べるから。子どもの頃から英会話が好きで、高校時代には留学も経験しました。大学で英語を専攻するか、それ以外のことを学ぶか悩みましたが、北海学園大学の経営学科は語学にも力を入れていると分かり、進学を決めました。
大学時代、ブロークンイングリッシュを話していた私に、「きちんとした英語を身につけると、海外でのビジネスシーンにも役に立つよ」と先生がアドバイスをくれました。そこで、英会話のほか異文化コミュニケーションなど、英語や海外につながる授業はできる限り履修。ビジネスレターの書き方やプレゼンの仕方、経営学で習得したコスト計算は、今の仕事にも役立っています。

在学中は留学プロジェクトでカナダに3週間滞在。そのつながりもあり、卒業後はワーキングホリデーで再びカナダへ。アルバイトをしていたレストランの仕事に興味を持ったことがきっかけで、料理の世界に進みました。オーストラリアを経て、ニュージーランドでパティシエに転身し、ジェラート店勤務時代にはいくつもの賞を受賞。海外でもキャリアを積むことができました。
日本国内だけにとらわれず、世界を拠点にするという選択肢が増えたのは、英語を学びコミュニケーション能力を鍛えたおかげです。世界でもっと活躍するために、シェフとしてのスキルをさらに磨き、情熱を失わずにいたいですね。
世界で活躍できる人を目指してほしい。
どの国の言語でも構わないので、将来の選択肢を増やすためにコミュニケーションスキルの一つとして、外国語を身につけることをおすすめしたいですね。外国語が話せることで、年齢や人種に関係なく、いろいろな人々と触れ合い、視野を広げることができます。そして、大学時代にはぜひ切磋琢磨し合える友人、情熱を持って取り組める何かを見つけてください。
