[ゼミナールⅠ・Ⅱ 参加](写真手前から)
経済学部2部 地域経済学科3年 工藤 楓
(北海道檜山北高校出身)
経済学部1部 地域経済学科3年 田中 琢磨
(北海道釧路北陽高校出身)
人口減少、
空き家問題を抱える豊浦町へ。
——合同研修の目的を教えてください。
【田中】豊浦町は移住希望者がいるものの、需要に対して人が住める空き家の数が足りないという問題を抱えています。人が住んでいなくても、家具や生活用品など残置物が多いといった理由から住める空き家が少ないんですね。その実態を知るために、2025年9月に合同研修を行い、①空き家所有者、移住者の聞き取り調査 ②残置物調査 ③空き家を活用したイベント開催という3つの軸で活動しました。私が担当したのは、今年、新しく盛り込まれたテーマでもあるイベントです。

【工藤】私は調査班として、空き家の所有者や移住者に話を聞きました。空き家所有者から、築年数や希望する活用方法などをヒアリングするんです。残置物を担当した学生は、家に残っている物の量や内容の調査を行いました。今は、物を捨てるにも空き家を処分するにもお金がかかるため、そのことがネックになって家財道具ごと空き家が残されているケースも少なくありません。

——豊浦町ではどんな活動をしましたか?
【田中】2年次の合同研修で、空き家を購入された移住者に会いました。空き家を利用して地域活動の場を作り町を盛り上げたい、人が集まり交流できる場所を作りたいと語っていました。今年はその方から場所をお借りして、地域の子どもたちとゲームやトランプをして遊ぶ催しをしたり、豊浦町産の豚肉を使った豚串や焼きそばを売ったり、協力してくれた空き家所有者の残置物をフリーマーケットで販売するイベントを開催しました。商品として選んだのは、1巻から20巻まで揃った漫画本や食器、ギターや音楽CDのように、なるべく小さくて軽く、動作確認の必要がないものです。
【工藤】イベント、なんだか楽しそうだったよね。
【田中】本当に楽しかった! 想定よりもたくさん人が集まってくれて。同じ日に町内の神社でお祭りがあったので、親子連れの方も来てくれて。町内にある学校法人北海道シュタイナー学園 いずみの学校がイベントの開催に協力してくれたのですが、そこの生徒さんたちもたくさん遊びに来てくれました。


【工藤】私は、空き家所有者の方に、空き家を抱えている背景や築年数を始めとした家にまつわる情報を聞きました。聞き取りをして感じた問題は、大きく2つあります。1つは相続問題。空き家は資産なので、誰に相続するのかが決まらないという問題です。もう1つは土地問題。物件の所有者と土地の所有者が違ったり、土地の所有者が複数いたりして、権利が複雑になっている問題です。お金も絡むことですが、踏み込んだ話を聞くことができました。同時に自分たちが話を聞くことで、所有者の方たちもどうしたらよいのか道筋が見えたり、不安が軽減されたりする側面もあると感じました。
多様な生き方、
先輩方の人生を学ぶ機会。
——2年続けて豊浦町と関わっていますね。
【田中】2年次から活動を継続することで、役場やイベントを開催した家の所有者の方などの知り合いが広がりました。豊浦町の方とはイベント当日まで何度もミーティングを重ね、準備が足りない点を指摘していただくなど、本当に学ぶことばかり。イベント当日に会場へ足を運んでくださった方ともつながれましたし、イベントで会った同世代の人たちと仲良くなって連絡先を交換するなど、たくさんの出会いに恵まれました。
【工藤】私は檜山の出身です。豊浦町で学んでからあらためて故郷を見渡すと、空き家が目につくようになりました。ここはきっと空き家だろうな、壊れそうな家は危ないなって。檜山は豊浦よりも過疎化が進んでいます。また、新しく建てられた家を見つけると、どんな魅力を感じてその土地を選んだのかが気になるようにもなりました。移住者の視点から、檜山の魅力とはなんだろうと考えてみるきっかけをもらいました。

——高校生にゼミの魅力を伝えるとしたら。
【田中】なんでも自由にやらせてくれるゼミですが、自分でやりたいと言った以上は、責任を持ち、壁も乗り越えなくてはいけません。やり遂げるためには人を頼ることも必要で、自分自身が成長しながら、友人関係が広がっていく実感を得られます。大阪から塩を作るために豊浦にやってきた人、公務員を辞めてイチゴ農家になった人など、自分が考えたこともない生き方に触れる貴重な経験になりました。

【工藤】正直、2年次の最初はそれほど積極的ではありませんでしたが、実際に豊浦町に行って人と出会うと、もっと知りたいという思いが深まって。3年次にはしっかり熱が入りました。知り合いができると、自分の責任を果たさなくてはという思いも強まります。今では楽しいからゼミに行く、そんな風にモチベーションがすっかり変化してしまいました。
