PROJECT
岩田醸造株式会社

北海道の味噌作りから学ぶ、発酵の世界。

2025.12.17 UP

INTRODUCTION

発酵の現場へ。
学びが仕事につながる瞬間を探して

発酵への理解を深め、大学で学ぶ生命工学の知識が食品づくりの現場でどう活かされているのかを知りたい。そんな思いから、岩田醸造さんの味噌工場を訪問しました。微生物と向き合う現場には、大学の講義だけでは出会えない発見がありました。

取材メンバー
  • 工学部
    生命工学科 2年
    後藤 紗季
  • 工学部
    電子情報工学科 2年
    小林 大希
  • 1部 法学部
    法律学科 2年
    榎本 勝広

【取材当日レポート】
はじめての味噌作りの現場へ。
大学生が学ぶ、味噌作りの歴史と職人の仕事

「味噌作りや発酵の世界を、もっと深く知りたい!」

北海学園大学 工学部生命工学科 2年 後藤 紗季です。
生命工学を学び、味噌ラーメン専門店でアルバイトをしている私にとって、味噌はとても身近な存在です。その味噌がどのように生まれ、どんな人たちの手でつくられているのか、実際の味噌作りの現場にとても興味を持っていました。

そんな興味関心をきっかけに取材準備を進め、いよいよインタビュー当日を迎えました。この記事では、味噌工場を訪問した当日の様子をレポートします。

インタビューの目的
◯発酵の歴史から、味噌作りの魅力を掘り下げる
◯地域ごとに生まれる味の違いの理由を知る
◯味噌作りに込められた、職人のこだわりを学ぶ

インタビューに対応してくださったのは、岩田醸造株式会社のみなさん。
大学生取材メンバー3名で実際に工場を訪ねて、インタビューが始まりました。

代表の岩田さん、味噌づくりのプロフェッショナルである杜氏(とうじ)の原田さん、そして製造や販売に関わる社員のみなさんから、味噌作りの基本や発酵の仕組み、これまでの歴史について直接お話を伺いました。インタビューしながら、教科書で学んだ「発酵」という言葉が、目の前の現場と結びついていく感覚がありました。

私たちがスーパーでよく目にする、岩田醸造さんの味噌「紅一点」。
その名前の由来は、中国・北宋の政治家であり詩人でもある王安石(おう あんせき)の詩にあるそうです。

「緑の草むらの中に咲く、一輪の赤い花のように際立った存在であれ」
そんな想いが、商品名に込められていることを知りました。

北海道の味噌作りを切り拓いてきた先人たちの想いと、今も地域で愛され続ける理由を、肌で感じることができました。

インタビューの後は、いよいよ工場見学です。

工場内に一歩足を踏み入れると、ふわりと広がる味噌の香りに、自然と期待が高まります。実際の味噌作りの工程を見ながら、原料の処理から発酵、熟成までを丁寧に教えていただきました。

私たちの食卓を支える味噌は、想像以上に大きなタンクの中でつくられています。工場内にはそのタンクがずらりと並びますが、特に重要なのが温度管理。発酵の進み方は温度に大きく左右されるため、季節や工程に合わせて緻密な管理が行われていました。微生物の力を引き出すための「環境づくり」こそが、味噌作りの要なのだと感じました。

できあがった味噌は、必ず杜氏(とうじ)が自ら味わいを確認し、品質をチェックします。出荷の判断を下すのは、長年の経験を積んだ杜氏(とうじ)。数値やデータだけでは測れない味や香りを見極める技術は、人から人へと受け継がれていくものなのだと教えていただきました。

最後は、出荷の工程まで見学させていただきました。
こうして完成した味噌が、私たち消費者のもとに届いているのだと実感します。

工場長さんに「なぜこの業界を選んだのですか?」と質問すると、「日本の食文化とも言える味噌を、微生物がつくっている。そう思うと、とても夢があるでしょう?」と話してくださいました。工場長さん自身も、微生物の世界を学んできたそうです。

発酵や生命工学を学ぶことが、こうした現場の仕事につながっている。将来の進路を考えるうえでも、そして味噌ラーメン屋でのアルバイトに向き合ううえでも、大きなヒントをもらえた一日でした。

一緒に取材に同行した小林さんと榎本さんの感想コメントを紹介します。

小林さん
実際に製造現場を見学し、味噌のつくり方や徹底された品質管理・保管方法、そして細部に宿るつくり手たちのこだわりを肌で感じることができました。味噌をはじめとする発酵文化への興味がより一層深まりました。

榎本さん
ただ単純に「味噌づくり」をしているだけではなく、いかにそのクオリティーを保つかという工夫に感動しました。例えば原材料の大豆。時代背景により入手が難しい時には、柔軟に原材料産地を探されていたそうです。そうした姿勢から味噌が私たちのもとに届いているのだと実感しました。

次回は、インタビュー記事本編をお届けします。どうぞお楽しみに!